紅綫牽 -Hóng xiàn qiān-

『白蛇:縁起』の感想雑記です!!!!

 

「白蛇:縁起」日本語吹替版

 

白蛇、想像してたより呪いの話じゃなかったね?

人間って愚かだけど、だからこそ命を賭け輪廻を巡ってまで執着をしてトンデモ行動を選んでしまえる愛しき生き物っちゅー訳で…みたいな

まあしかし、人間が愚かなのは知ってたけどこの作品の中では妖怪も等しく愚かだったし中盤からもうみんなせーので滅ぼう!!の脳内シュプレヒコールが…(笑)

人間と妖怪、異種族であることによって中々叶わない恋模様が描かれるのかと思いきや、

人間VS妖怪、人間VS人間、妖怪VS妖怪と場面が色々あった。激しくてカッコよくてエグめなバトルシーンもいっぱい。

てか最後、蛇の長も人間の長も同時に消えたのヤバくない?あの後ゴリ乱世だろうな…

あと犬は何より大切にしなさい。

 

でね、アニメーションに関しては、絵がもう物凄く、物凄く繊細で綺麗で!!!!!

それ自体は先に公開された色んな動画でも既に分かってたことなんだけど、揺れる草花や空、川の水とかの風景もだし、透け感のある生地の織り目まで…!単に透けて見えるだけじゃなくて、織られている糸の目までしっかり見える、なんだこれ……。

逆に人間の表情の方が少し硬いような気がしたけど、それは死ぬほど表情が動く日本のアニメに慣れ過ぎているからかもしれない。でも目がキレイ、まつ毛キレイ、肌がキレイ、ほんのりと動いて笑顔になる頬がキレイ、そして白の黒髪の一本一本、白に限らずだけどびっくりするくらい美しい。蛇の鱗の流れ方なんかも〜〜見惚れちゃうね。

 

そして佐久間くん演じる「宣」。
割と爽やかな声で軽妙に喋る宣が、声を低く押し殺したように話す時とかドキッとした〜〜〜!!!かっこよすぎ!!!!!

宣の溌剌とした台詞回しは普段の佐久間くんに通ずる声なんだけど、低音で穏やかに囁く台詞の時にあ〜〜これは宣の声帯!って思えて、そこにかなり射抜かれる。

恐らく表に出ている時の佐久間大介さんはこの声で喋らないよねって思える演技が聴けるのめっちゃ楽しい〜(泣)(泣)

中盤以降本当に佐久間くんが演じてることを忘れてしまうんだけど、宣のイケメン台詞5本の指に入るような「俺のこともう突き放せないな」を聞いた時あまりにも好きが高まって耳爆発しそうだった

なんか佐久間くんこういう緊迫した中での少しのお茶目さ?みたいな言い回し似合うんだ……てお耳が死にながら頭の片隅で思いました

あと、フッ!とかハッ!とかの息遣いの演技がピカイチで、自己評価が辛口だった佐久間くん自身も息遣いのアドリブは褒めてたもんね!!良かった!!

宣、とにかくかっこよかったです。必死に、ひたむきに守り生きるヒーロー。ピンチの時に現れて、ぎゅっと抱き締めてくれる。ヒーローやん。恋しちゃうじゃん。

宣に関してカギになっているのが五行とか二十八宿だけど、複数回見るならそのあたりをちょっとでも頭に入れていたらより楽しめるかもしれない。
奇門遁甲やらは占術だけど当時の学問で、宣はお医者さん志望で必須ではあるけどあんなに緊迫した場面ですらすら出てきて答えに結びつけられるんだから宣どれだけ賢いんだよ!?!! 
宣は状況からして天涯孤独の身なのかな?と思えるし、それならあの浮世離れした存在感というか思考や発言も納得できるなあと…

白との恋が急速に進んでいくところでも、もしかしてこの二人にはさらに前世があって、彼も流れ流れてこの村に辿り着いたのかもしれないな…なんてことまで考えちゃったり。それがあの飄々とした感じや、やけに物を知っている雰囲気に繋がっているとか……(めちゃくちゃ憶測)

 

妖怪や仙術はけっこう身近な世界なんだねぇ。白の仙術を最初に見た時も普通に受け入れてたし。
伝説・伝承モノについては元々とんでも設定が付きものなので、何で急にそうなるねーんというのはあまり気にならなかったかな〜

 

泣いたポイントを言うと、まず白と宣が傘に捕まりながら飛び回るシーン。傘デート。白蛇公式のホームページに入る時に真っ先にあの2人の絵が表示されるじゃない、だからあの2人の後ろ姿を本編中で目にしただけで泣けてきた。

あとは、大蛇の姿での白が、岩の上の宣と見つめ合うところ、ここも美しくも切なかったな。

そして最後、もう肉体は朽ちてしまった宣の魂を守ろうと手を伸ばす白。船の上で宣に教えてもらった歌を口にして「いかないで」と縋る白の姿、一番涙腺ぶっ壊された。悲しすぎ…

 

そして何故か、エンドロール3回ある。斬新。なんか色々あるんでしょうな、出さなきゃいけないのが。(アメリカと合作した中国アニメーションの日本語吹替版なので)

ハイーヤハイハイヨォーみたいなの、完全に縁-YUÁN-の気持ちでエンディングを待ち構えていた私にはあのやたら明るい中国の音楽にむずむずしちゃったね。気持ちの持って行き方が分からん。でもさ「前世の一期一会は今世で巡り会うため」みたいな歌詞は結構グッときちゃった。そうだよな、、

 

その後は少し切ない音楽であちらのエンディングを迎えて一応ほっとしました。

と思ったら、縁-YUÁN-で「生まれ変わり逢いに行くから」の歌詞の所にあの大蛇の白目線の宣がきて、ムリ!!!!!!泣く!!!!!!

改めて、縁-YUÁN-の1番は宣、2番は白、「生まれ変わり逢いに行くから」はまた宣、サビは二人かなのかなあ、と思いました。ハニレモ鑑賞後に聴くハロハロもそうだけど本編済みで受け取る曲の世界観とんでもないね、解像度がレベチ。

 

産まれてしまえば大なり小なり誰かを傷つける、生とはそういう業の繰り返しなんだろうな、と思った。みんな何も知らないあたたかな胎の中から、『誰か』に逢うために、産声をあげるんだろうな。

辛いことはどうしたって、きっとまた起こってしまう。だからこそ、素敵なことだけ覚えておけばいいよね。
宣と白、千年後の二人もどうか幸せにと願います。

 

 

『白蛇:縁起』最高でした🐍